ふれあいJA広場
地域の人と人とをつなぐ、とちの実交流会
- 島根県 JAしまね
- 2025年11月
 
								 島根県益田市匹見町内谷地区で活動する「内谷(うつだに)とちの実会」(村上巴代表)は、毎年晩秋に「とちの実交流会」を開催しており、地元の小学生と地域の関係者らが、とちの実の皮剝きやきねによる餅つき体験をとおして交流を深めています。
 内谷地区は、人口がもっとも多かった昭和30年代には、約85戸250人以上の人が住んでいましたが、現在は多くの人が地区外へ移り住み、なかでも上内谷集落は、休日を利用して休耕田の草刈りに帰る人が数人いるだけで、住人は同会代表の村上巴さん・峰雄さん夫婦の二人だけになりました。そんな人口減少が続くなかで「とちの実交流会」は、地域の人と人とをつなぐたいせつな交流の場となっており、主催者も参加者も、毎年この日を心待ちにしています。
 昨年は、石谷老人福祉センターで、匹見小学校の3・4年生が村上代表の指導の下、「へし」という道具を使っておこなうとちの実の皮剝き作業やきねを使った餅つきを児童たちが体験しました。昼食は、会のメンバーが朝早くから準備した地元の食材を使った酢物・豚汁・炊きこみご飯と、つきたてのあんこ入りとち餅とヨモギ餅を味わい、心温まるイベントとなりました。
 同会は、JAしまねから令和6年度地域貢献・地域活性化団体活動表彰を受けました。村上代表は「体が続くかぎり、とち餅が食べたいと言ってくれる人がいるかぎり、この交流会を続けたい」と話しています。
 今年も間もなく、標高500メートル近い山間に、にぎやかな子どもたちの声が響こうとしています。
(田中秀昌)





