地域にエール!
子ども見守りボランティア
- 静岡県 JAふじ伊豆 女性部富士宮地区本部(静岡県富士宮市)
- 2025年12月

おなかだけでなく心まで満たす
子ども見守りボランティア
生活が困窮する家庭の子どものために、女性部が弁当を作っています。
愛情もいっぱい詰め込んで、地域を支え続けています。
雄大な富士を望む静岡県富士宮市。総合福祉会館の調理室には、JAふじ伊豆女性部富士宮地区本部のメンバーが集まっています。この日は市の社会福祉協議会と連携し、貧困家庭の子どもに向けた「子ども見守りボランティア」として弁当作りをする日です。
「本日のお弁当の献立は、ちらしずしとおかずを合わせて八品。さあ、始めるよ~」
献立表を掲げて仲間に声をかけていくのは、JAふじ伊豆女性部富士宮地区本部の部長の佐野博子さん(69)と、献立担当の赤池恵子さん(72)の二人。令和三年十二月から富士宮地区本部では、弁当作りの活動をしています。

きっかけは、全国で貧困家庭の問題が顕在化したコロナ禍でした。当時、富士宮地区本部の部長だった赤池さんは、一日一食しか食べられない子が市内にもいると知り、驚くとともに〝子どものために、なにかしたい〟と強く思ったそうです。
「そこで女性部の会議で、ボランティア活動としてお弁当作りをしようと提案したの。部員のみんなは大賛成で、JAも快く協力してくれることになりました」と赤池さん。
そこで、社協が生活困窮家庭の子どものために開催する勉強会「にじっ子クラブ」の日に合わせ、月二回の弁当作りを始めました。
旬の食材や地域の味を盛り込み、YouTubeのレシピ動画なども参考にした弁当に、子どもは大喜び。社協から伝え聞く「家族で食べた」「手作りのおかずがおいしい」という声がやりがいになっている、と佐野さんは言います。
「今日も喜んでくれるかな?と思って作るのが楽しい。最初は時間もかかっていましたが、今では献立と食材を見ると自然とみんな動きだすように。この活動で部員同士の仲間意識が高まりました」

青壮年部が食材を寄付
令和七年三月からは、JAふじ伊豆青壮年部富士宮地区本部も活動を支援。青壮年部のSDGs活動として、規格外野菜を有効活用する「フードサイクルコミュニティ事業」で集めた食材の一部を、弁当作りへ寄付しています。
JAふじ伊豆常務理事の遠藤誠一さんは、富士宮地区本部は組織を横断した意見交換が活発で協力体制がある、と言います。
「女性部の地域貢献活動、青壮年部のSDGs活動、二つの組織が連携してたがいの活動を高め合っている。どちらも社会的意義のある活動なので継続してほしいですね」

さて、今日の弁当が完成しました。中をのぞくと八品の予定が、寄付された野菜も急きょ追加して、なんと十一品に! 弁当箱に、ぎゅうぎゅうに詰まっています。
「家族で食べる子も多いので少しでも多く詰めたい。詰め終わってからトウモロコシを見つけて、ゆでてまた入れちゃった」と、笑う赤池さん。
富士山のように高く、駿河湾のように深い愛情を詰め込んだ女性部が手がける弁当は、子どものおなかだけでなく、心まで満たしています。

文=森 ゆきこ 写真=前田博史





