地域にエール!

農業に取り組みやすい環境づくりと地域農業の定着化

  • 愛知県 JAあいち豊田管内農ライフ創生センター( 愛知県豊田市)
  • 2026年1月

行政とJAが手を組み進める

農業に取り組みやすい環境づくりと地域農業の定着化

市とJAが共同運営する「農ライフ創生センター」。
二十年以上も続けてきた取り組みは住民の〝農ある暮らし〟への思いや新規就農への道筋を開いています。

カテゴリ

 自動車産業で知られる愛知県豊田市は、山川に恵まれ稲作を中心とした農業も盛んな地域。とくに猿投地区は、ナシやモモ、カキなどの果樹栽培が有名で、旬になると果物を買い求めに、近隣から多くの人が訪れます。
 そんな猿投地区には、豊田市とJAあいち豊田が、地域農業の活性化をめざして共同運営する「農ライフ創生センター」があります。
「当センターは平成十六年四月に開設しました。市民が守り、未来につなげ・つながる『とよたの農』をめざすため、農業に取り組みやすい環境づくりを推進する場となっています」
 そう話すのは、豊田市産業部・農ライフ創生センター所長の成瀬光明さんです。仕組みづくりは行政が担い、農業指導はJAが中心となって進めています。

 現在、スタッフは九人。うち二人がJAからの駐在です。四郷研修所のほか、旭・下山と三か所の研修所があります。野菜作りを楽しむ人向けの初級コース、生きがいづくりの中級コース、新規就農をめざす上級コースを展開しています。
 各コースとも評判がよく、大人気。初級は市内の在住者に限定していますが、開設時から力を入れてきた上級コースは市外からの受講者も来ていると、成瀬さん。
「修了後、豊田市で就農する人が対象です。近隣都市の人はもちろん、市内の実家に戻って就農するために東京から通った人もいました」

就農をめざして基礎から実践まで

 上級コースは週一回、二年間の研修で、一年めは作物の生態や防除などの基礎講座や、二十種以上の園芸品目の実習をします。二年めは各自で計画を立てて栽培。指導員の教えを受けて上級コースを修了すると、農地や農機具の借り受け支援を受けることもできます。
 JAあいち豊田から同センターに駐在する山田広年さんは、就農時に役立つようにと、心がけて指導してきました。
「売れる野菜作りをめざし、味・色・形と厳しく指導します。農業を生業にするための考え方、技術を身に付けてもらいたい。直売所での販売指導もしています」

 令和七年度は新規で二十〜六十代の十四人が、上級コースを受講しています。一年めの久米陽奏子さん(28)は会社を退職後、農業への興味が湧いて受講を決めました。
「就農したい! と思っても、その先がわからなかった。基礎から実践まで学べ、就農をめざす仲間ができたのはうれしい。イチゴ農家をめざしてがんばっています」
 修了生はナス、ネギ、スイカ、サニーレタス、イチジクなどの生産者として活躍中。四ヘクタールの圃場を運営するネギ生産者もいます。
 二十年にわたって、地域の農業に新たな風を吹き込んできた豊田市とJAあいち豊田の挑戦は、これからも続いていきます。

文=森 ゆきこ 写真=前田博史

ふれあいJA広場・
ローカルホッとナビ

本サイトは、全国47都道府県のJAやJA女性組織の活動をご紹介する「ふれあいJA広場」のWEB限定記事と、月刊誌『家の光』に掲載している「ローカルホッとナビ」の過去記事が閲覧できるサイトです。
皆さまのこれからの活動の参考にぜひご活用ください。

2024年3月までの「ふれあいJA広場」記事は、旧ふれあいJA広場をご覧ください。