地域にエール!
旧店舗を有効活用! 憩い・語らい・笑いの場
- 岐阜県 JAめぐみの みのかも女性部(岐阜県美濃加茂市)
- 2025年11月

旧店舗を有効活用! 憩い・語らい・笑いの場
ふれあいサロン
JA旧支店の建物で開催する「山之上ふれあいサロン」。
当地のモーニング文化を生かして多世代が交流する拠点になっています。

岐阜県は美濃加茂市にある緑豊かな山之上町。七月中旬、町の中心部にあるJAめぐみの旧山之上支店では、「山之上ふれあいサロン」が開かれていました。
中京地域でなじみ深いモーニングサービスにならい、〝季節のモーニング〟を提供する山之上ふれあいサロンは、「山之上まちづくり協議会」と「JAめぐみのみのかも女性部」が運営。サロンの立ち上げは、令和三年のことでした。
「コロナ禍で、高齢者はじめ町の人が外に出なくなってしまって。地域の交流を復活させようと、月一度のサロンを始めました」
そう話すのは、山之上まちづくり協議会会長の酒向謙治さん(77)。その隣でうなずくのは副会長であり、女性部で長年役員をしてきた井戸春子さん(76)です。

当初はJA協力の下、旧山之上支店の一角を借りて、十数人のスタッフで開始。すると味の評判が口コミで広がり、次々と人が訪れるように。そこで、閉鎖が決まった旧支店の一階を全面改装。今では百席以上あるスペースで、二十人のスタッフがサロンを切り盛りしています。
毎月第三水曜の午前九時半から三時間の営業ですが、百人以上が訪れる盛況ぶりです。心待ちにする人たちにスタッフは知恵を絞り、山之上町らしいメニューを提供していると井戸さんは話します。
「朴葉ずしや土用餅など、郷土の味を提供。高齢者には懐かしく、若い人には新鮮です。特産をめざす食用花のハイビスカスローゼルを使った料理や菓子も人気ですね」


地域活性化のモデルケースとして
山之上ふれあいサロンは、地域の保育園や小学校の学習発表の場としても活用されています。この日は、授業の一環で育てた花の苗を、販売する小学生の姿がありました。
「入り口で花の苗を売っています。立ち寄ってください」
そう言ってサロンをまわるかわいい子どもたちに、モーニングを楽しむ高齢者が「どんなお花?」「あとで行くね」などと声をかけます。


そんな様子を優しく見守るのは、JAめぐみの常務理事の石原隆光さん。「子どもから高齢者まで、多世代が交流する魅力的な場。JAとしても応援していきたい」と話します。
また、この取り組みにJAの未来を見いだしているのは、JAめぐみの代表理事組合長の渡邉健彦さんです。
「ここ数年、JAでは支店の統廃合が進んでいます。旧店舗の有効活用は喫緊の課題。地域を活性化させるサロンは、一つのモデルケースになりうると思っています」
町を愛する人たちが運営する〝憩い・語らい・笑いの場〟の山之上ふれあいサロン。これからも、さまざまな人の交流の場として、地域を元気にして盛り上げてくれることでしょう。

文=森 ゆきこ 写真=前田博史




