地域にエール!
JA女性部“ならでは”の被災地支援
- 島根県 JAしまね出雲女性部(島根県出雲市)
- 2025年4月

関係を生かしてニーズをつかめ!
JA女性部“ならでは”の被災地支援
昨年、能登半島地震の被災地に巾着袋を届けたJAしまね出雲女性部。
現地に行けなくてもできる支援のヒントを教えてもらいました。
JAしまね出雲女性部が、被災地支援に取り組むようになったきっかけは、令和六年一月に東京で開催されたJA全国女性大会でした。
「司会をしていたのが、JA石川県女性組織協議会の北智子会長だったのです。その二週間前に発生した能登半島地震の話を聞き、できることはないかと考え始めました」
JAしまね出雲女性部部長の浦部えつ子さん(74)は、振り返ります。
そこでまず三月、地元で「杵つき餅販売」やバザーを企画。売り上げ約二十万円を、四月にJA石川県女性協に送ったところ、たいへんに感激されました。
「もっと手助けをしたい」と気持ちが高まります。しかし、被災地に行ける状況ではありません。ならば被災地へ出向いた人の話を聞いてみようと、出雲市総合ボランティアセンターの職員を、出雲女性部総会の講師に招きました。
そのさいに聞いたのが、避難所で生活する女性の悩み。提供される生理用品や化粧品などを入れる「袋」が必要とのことでした。
なにが必要かまず情報を入手

手芸が盛んな出雲女性部の動きは迅速でした。「巾着袋」の製作協力を部員に要請。すると型紙を用意する部員もいて、約三か月後には、四百枚の巾着袋が集まりました。
「手芸が大好きで、ふだんから布を集めています。出番が来たな、と思いました」
「まっすぐ縫うだけで簡単。ミシンを使えば、三十分もあれば一枚できます」
「喜んでもらえるかなと思いながら、布を選びました」

そう話す出雲女性部の役員。八月、色とりどりの巾着袋を寄贈できました。現地では便利に重宝しただけでなく、被災者が集まり、会話するきっかけにもなったそうです。
九月には、能登地方で水害も発生。できた関係を生かして、JA石川県女性協に連絡します。復旧作業用のタオルが足りないという情報を入手。各部員が知り合いにも声をかけ、集めたタオル千枚以上を十月に送りました。

「被災地では、意外なものが足りないことがあります。必要なものはなにか、どこに送ればいいのか、ボランティアセンターに教えてもらったり、JAや女性部の〝つて〟を使ったり、まずは情報を入手することがたいせつです」
被災地支援のポイントを教えてくれた浦部さんは、続けて話してくれました。
「今回の活動で、現地に行けなくてもできる支援、女性部だからできる〝ならでは〟の支援があると感じました。これからもチームワークよく、支援活動に取り組んでいけたらいいなと思います」

文=茂島信一 写真=吉田真也