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でっちようかん
- 滋賀県 JAグリーン近江女性部 近江八幡支部(滋賀県近江八幡市)
- 2026年7月

もちもちの食感とやさしい甘さが魅力
でっちようかん
江戸時代、でっち奉公に出た子に母が持たせた手作りようかん。
愛情いっぱいの味は、今も郷土菓子として受け継がれています。

琵琶湖の東岸に位置する滋賀県近江八幡市。安土城を築いた天下人、織田信長が布いた「楽市楽座」の気風が受け継がれ、商いの町として発展してきました。江戸時代には近江商人発祥の地として、商い上手な「八幡商人」でも知られています。
そんな歴史ある町の郷土菓子が、竹の皮で包んだ「でっちようかん」です。アズキあんに薄力粉や葛粉を混ぜ、竹の皮で包んで蒸しあげる菓子は、もちもちの食感とやさしい甘さが魅力です。

「でっちようかんの名は諸説ありますが、でっち奉公に出た子が里帰りして奉公先の大阪や京都に戻るさい、母親が持たせた自家製ようかんに由来すると伝えられています」
そう話してくれたのは、JAグリーン近江女性部近江八幡支部の林幾子さん(76)です。
「丁稚羊羹」は、平成十年に滋賀県選択無形民俗文化財「滋賀の食文化財」に選定されて、県内の各地で作られています。しかし、近江八幡ならではの特徴があると、林さんは言います。
「近江八幡はこしあんで作りますが、他の地域はほぼ粒あん製。ここではアズキを炊いた煮汁も、捨てることなく使うんですよ(笑)。八幡商人の町として、倹約の精神が身に付いているんやろねえ」

歴史ある郷土の味、文化をつないでいく
でっちようかんは、地名の由来でもある日牟禮八幡宮の祭りをはじめ、冠婚葬祭など人の集まりに欠かせない存在です。昔は家々で作っていたものの、今では専門店で購入するのが一般的になっています。そこで郷土料理をテーマに活動する女性部近江八幡支部では、郷土の味をつなぐため十数年前から、でっちようかん作りを始めました。
当初は、十本分の材料で作っていました。しかし練りぐあいが安定せず、レシピを見直すことにしました。
「試行錯誤のすえ、分量は二本分で作るのがベストでした。イモやクリを添えるなど、工夫も重ねています」

さらに林さんらは、郷土の味を若い世代へ伝承することにも尽力しています。年に数回、JAの若手職員やその妻などを誘って、でっちようかんを中心とした郷土料理の講習会を実施。次はなにを教えてもらえるのか、と楽しみにしている人たちも多いといいます。
「若い世代も、郷土料理には関心が高いです。若い世代と活動するのは、とても楽しいし、また学びにもなる。そして歴史ある郷土の味や文化をつなぐのは、わたしたちの役目だと思っています」

「でっちようかん」の作り方

材料(2本分)
- こしあん 250g
- 薄力粉 30g
- 本葛 8g
- 水 70mL
- 塩 1つまみ
- 安納芋(サツマイモ) 1本
- 竹皮(ひもも準備) 2枚
※「こしあん」は作っておく。中に入れる「安納芋」は、蒸して切っておく。
※「竹皮」は熱湯にくぐらせ、1時間ほど水につけておく。

❶ こしあんに薄力粉と塩を加えて練る。次に水で溶いた本葛を、少しずつ入れながら練りあげ、とろりとした状態にする。

❷ 水分を拭き取った竹皮の真ん中に、①の生地を置いて安納芋をのせる。竹皮の上下と、左右を折って包み込む。

❸ ②の生地を包んだ竹皮の2か所を、竹皮のひもで結ぶ。

❹ ③を蒸し器で40分ほど蒸す。あら熱を取り常温で半日ほどおくと、竹の風味が生地に移り、竹皮もきれいにはがせる。

おいしいから
作ってみてね
文=森 ゆきこ 写真=研壁秀俊





