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「農業塾きゅうりコース」で独り立ち

  • 福島県 JAふくしま未来 伊達地区本部(福島県伊達市)
  • 2026年7月

充実したJAのサポート

「農業塾きゅうりコース」で独り立ち

全国トップの夏秋キュウリ産地では後継者づくりにも力を入れています。
基本をたいせつに、先輩生産者やJA職員などが、新規就農者に手ほどきしています。

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 日本一の夏秋キュウリの生産量を誇る、福島県の伊達市。ここ〝キュウリのまち〟では、JAふくしま未来伊達地区本部が新規就農者を支援するため、「農業塾きゅうりコース」を開講しています。
 受講は無料で、一年間全六回の座学と実習を通じ、栽培技術や農業に関する基礎知識を習得できます。平成十九年から始まり、これまでの受講生は二百十四人。そのうちの約八割が、キュウリ生産者になっています。
 もともと飲食店を経営していた浅野信二さん(48)は、令和五年に就農を決心し、宮城県から伊達市に移住。翌年、JA関連の農業生産法人みらいアグリサービス㈱でキュウリ栽培の研修を受けながら、同コースを受講しました。

「料理の仕事をするなかで、農業への関心が高まりました。まずは農業フェアなどに参加し、いろいろな地域を検討。そのなかで伊達市は就農者へのサポートが充実していたので、移住を決めました」
 農業は未経験でしたが、同コースを受講することで自信を得ました。とくに、支えになったのは講師を務めた先輩生産者の存在。初期防除をはじめ、仕立てなど基本のたいせつさを伝えてもらえたことがよかったと振り返ります。
「今でも共選場などで会うと〝暑いのにがんばってるな〟と優しく声をかけていただけるのが、とても心強いです。同期の受講生は四人。現在では、全員がキュウリ生産者になっています」
 令和七年には、JAの助成制度を利用して、十アールの農地にハウス二棟を建設。定植一か月後には収穫が始まり、同年は十二・五トンのキュウリを出荷しました。

失敗は成功のもと ありのままを見せる

 また、同コースの講師も務めるJA営農経済課の佐藤裕基さんは、産地の魅力をこう説明します。
「伊達市は地下水が豊富な盆地で、キュウリが育ちやすい環境です。さらに、機械共選と全量引き取りで生産者の労力を軽減。ほぼ年間を通じて高品質なキュウリを安定的に出荷できることが、産地の好評と日本一の販売額につながっていると考えています」
 キュウリはどんどん実るので、シーズンが始まると朝夕二回の収穫をしなければなりませんが、安定した収入を見込めることが魅力です。近年JA管内では毎年十人ほどが、新たなキュウリ生産者として就農しています。
 現在、浅野さんがキュウリを栽培しているハウスは、同コースの実習圃場としても利用されています。失敗も隠すことなく「ありのままを見てもらいたい」と、浅野さんは話します。
「失敗は成功のもと。受講生のみなさんには全部見ていただきたいと考えています。まだまだ勉強中ですが、少しでも後進の方々の役に立つことで、地域への恩返しもしたいんです」
 就農二年め、地域の人々に支えられ、同期の受講生とも交流を続けながら、栽培規模の拡大を計画しています。

文=加藤恭子 写真=鈴木加寿彦

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