地域にエール!
都市型農業の活性化につなげる
- 大阪府 JAいずみの(大阪府泉大津市)
- 2026年4月

オーガニックアカデミーで成果
都市型農業の活性化につなげる
食と農を通じた持続可能な地域づくりに行政と取り組むJAいずみの。
生産緑地の有効活用や担い手育成をめざしています。
古くから港町として栄え、物流や商業で知られる大阪府泉大津市。面積に占める農地は約二パーセントですが、令和六年には「オーガニックビレッジ宣言」を掲げ、食と農に関する施策を進めています。
同市を管内とするJAいずみのは、市と包括連携協定を結んで、食と農を通じた持続可能な地域づくりに、共に取り組んでいます。
「昨年春から地域の人を対象にした『オーガニックアカデミー(有機農業塾)』を始めました。耕作放棄地になっていた生産緑地の有効活用や、新規就農など担い手の育成をめざしています」
そう話すのは、企画運営に携わるJAいずみの営農経済部の辻野隆弘さんです。

市民が継続して農業に触れる機会を模索するなかで、辻野さんは有機農業の気運の高まりを感じ、ノウハウを持つ指導者による有機農業塾の企画を立ち上げます。
「有機栽培を学ぶ人は、有機農業を継続していく可能性が高いんです。オーガニックアカデミーによって地域に新たな〝農コミュニティ〟が見込めると考えています」

受講生から好評 他地域からも注目
オーガニックアカデミーの期間は一年。座学や実習を通じて、有機栽培の生産技術を学びます。市内や近郊に暮らす三十~六十代の男女十一人が受講しています。
取材日は、あいにくの雨模様でしたが、二か所の圃場で収穫実習をしていました。
「このハウスでは、夏はトマト、冬はネギやシュンギクを植えています」
「大阪のシュンギクは株ごと収穫するんや」
そう声をかけながら技術指導をするのは、有機農業を推進する「オーガニック大阪」代表の仲野忠史さん(77)です。元JA職員であり、十数年にわたって有機農園を営んでいます。

「有機農業は手間がかかりますが、売り方しだいで利益を見込めます。農業は仲間がだいじ。作物の作り方だけでなく〝農仲間づくり〟にも、取り組んでほしい」
仲野さんの助言に、受講生は真剣に耳を傾けます。
就農希望はもちろん、食の安全・安心に関心があるなど、受講の理由はさまざま。受講生の一人は、退職後に有機での就農をめざしています。
「昔から有機農業に興味があり、夫婦で受講しています。地方でないと難しいと思っていましたが、地元で〝有機就農〟の道があり、うれしい」

また、オーガニックアカデミーはマルシェでの有機野菜販売や、地域の子どもに向けた収穫体験などを実施。売り方や圃場活用を学ぶ機会として、受講生に積極的に関わってもらっています。
今年は生産緑地を新たに借りる予定でいる、と話す辻野さん。
「受講生からは、今後も続けたいと好評です。JA管内の他地域からも注目されています。この取り組みによって地域の農業への理解を深めて、都市型農業の活性化につなげていきたいですね」

文=森 ゆきこ 写真=吉田真也





