地域にエール!

地域を丸ごとブランド化した“知多どれ”

  • 愛知県 JAあいち知多 (愛知県常滑市)
  • 2026年9月

地域を丸ごとブランド化した“知多どれ”

米、野菜、花卉、畜産とさまざまな農畜産物を展開するJAあいち知多。
知多半島の恵みを「知多どれ」と名づけ全国に魅力を発信しています。

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 愛知県の知多半島は、名古屋市から南方面に突き出たエリアで、伊勢湾と三河湾に囲まれています。北部には臨海工業地帯があり、中部は日本六古窯の一つ「常滑焼」で知られる常滑市や、酢や酒造りなど発酵文化が根づく半田市があります。南部は自然に恵まれ、農業と漁業が盛んな南知多町など、5市5町から成ります。
 そんな個性豊かな知多半島を管内とするJAあいち知多では、2024年4月に知多半島でとれた農畜産物をブランド化した「知多どれ」プロジェクトを開始しました。
 自然豊かな知多半島の魅力と、その恵みを全国の人に味わってもらいたいという思いから始まった、と話すのはJAの代表理事組合長の伊藤勝弥さんです。
「細長い地形的特徴や北部、中部、南部で異なる土壌を持つ知多半島は、一つの品目に特化した産地形成は難しい地域です。そこで昔から米、野菜、花卉、畜産など、さまざまな農畜産物を手がけてきました。個々のブランド化よりも、知多半島で〝とれたもの〟を丸ごと〝ドレスアップ〟して発信しようと決めて『知多どれ』とブランド化しました」

げんきの郷には「知多どれ」が勢ぞろい

 旬の「知多どれ」が並ぶのが、知多半島の入り口にある大府市の「JAあぐりタウンげんきの郷」です。
 2000年にオープンした施設は、知多半島産の野菜や肉、近海でとれた魚介もそろう直売所、レストランやカフェ、温泉、体験農園を備えた1日楽しめる複合型施設です。
「知多どれ」がスタートした24年にリニューアル。JAの産直施設としては、全国一の売場面積を誇り、25年度の施設全体の売上額は46億4500万円と全国トップクラス。新鮮で品質にこだわる「知多どれ」を買い求めるために年間約200万人が訪れる、と話すのは㈱げんきの郷企画総務部企画課課長の榊原宏さんです。

「知多半島内の生産者573人に、旬の農畜産物を出荷いただいています。店のリニューアル後は、生産者と一丸となって、魅力的な売り場づくりに尽力しています」
 商品棚の欠品を防ぐためにPOS(販売時点情報管理)レジを活用し、1時間ごとに生産者に販売状況をメールで連絡。販売状況に合わせ、追加出荷できる仕組みを整えています。

 またリニューアル前は、施設に近い地域の生産物が中心でしたが、半島すべての農畜産物を陳列できるよう集荷便を毎日運行。遠方の野菜や果実が並びにぎやかになった、と榊原課長は話します。
 さらに、「知多どれ」を使った加工品も勢ぞろい。一番人気は「知多牛カレー」です。スイーツでは、パッケージデザインにもこだわり贈答用に使えると好評です。現在も新たな開発を進めています。

メディアでのPRイベントも開催

 生産者も「知多どれ」の発信力に期待しています。知多半島の北部、東海市で「東海ナス研究会」部会長を務める坂野浩さん(65)は、25アールの圃場でブランドナス『紫煌』を栽培。夏季を除く通年出荷で、年間50トンを出荷しています。
「研究会では、全国どこに出しても負けないナスを作っています。地域の産物を包括するブランド『知多どれ』として、全国へ発信できるのは心強いですね」

 生産者の期待に応えるために、JAではマスメディアを使ったPR活動を実施。さらに、中京地区の中心である名古屋をはじめ、東京や大阪で「知多どれ」のイベントを積極的に開催している、と伊藤組合長は話します。
「JAでは、知多半島の5市5町の行政や大学とも連携しています。農畜産物はもちろん、歴史や産業など、知多半島の魅力を丸ごと発信していきます。知多半島への交流人口を増やして、活気ある地域にする。地域と生産者を盛り上げる取り組みを、今後も続けていきます」

文=森 ゆきこ 写真=前田博史

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