地域にエール!

「今こそ農業塾」

  • 福岡県 JAふくおか八女 (福岡県八女市)
  • 2026年8月

“担い手”と“JA推し”を増やす

「今こそ農業塾」

農業に興味がある地域の人にJAが野菜作りのノウハウを教える「今こそ農業塾」。
長年にわたる取り組みが地域にもたらしたものとは?

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 福岡県の南部に位置する八女市は、八女茶で知られる日本一の玉露の産地であり、ブランドイチゴ「博多あまおう」をはじめ、農業生産が盛んな地域です。
 県内有数の農業地域を管内とするJAふくおか八女。平成二十三年から農業に興味を持つ地域の人に向けた、農業講座「今こそ農業塾」を開いています。
「今年で開講から十五年を迎えます。きっかけは、農業が盛んな管内ながら、農業の基礎を学ぶ環境がなかったことでした。そこで農業への理解を深め、担い手づくり、JAファンづくりなどを目的として農業塾を設立しました」

 そう話すのは、農業塾の事務局を担うJA農業振興課の梅本泰裕さんです。
 農業塾では毎年、二十人程度を上限として受講生を募集。四~十一月、全十一回の講座を実施します。座学と実習を組み合わせた内容で、土づくりから農業機械の使い方、防除や施肥について、また野菜の植えつけや果樹、花卉の栽培なども学びます。
 また八女茶を使った「美味しいお茶の淹れ方教室」や「新米食べ比べ試食会」など、地域の農畜産物の理解を深める講座も実施しています。

「講師は、園芸指導課の職員を中心に、茶業課や農畜産課などの職員が務めます。講座で植えつけた苗の管理は職員が担い、収穫したものは受講生に持ち帰ってもらいます」と、梅本さん。
 園芸指導課からは毎回、十数人が参加。マンツーマンで指導が受けられることも、受講生に喜ばれています。

就農につながりJA事業にも興味

「以前は、定年退職後の男性や兼業農家の受講生が多かったのですが、今は性別を問わず年代も幅広くなってきました。農業に関心を持つ人が増えたことを実感しますね」
 そう話すのは十数年にわたって、農業塾で講師を務めるJA園芸指導課の須﨑信幸さん。受講生の変化に伴い、講義や実習にも新たな工夫をとり入れています。
「講座では専門用語を極力使いません。非農家が多いため、わかりやすい説明を心がけています。また家庭で気軽に取り組めるように、支柱は木の枝を活用するなど、お金をかけずにできる方法なども教えています」と、須﨑さん。

 今年四月にスタートした十五期生は、十代から七十代までの男女十二人です。受講生は「農業で、いろんな学びができそう」「土に触れるのは初めて。一年間とても楽しみ」など、期待に満ちた声を上げます。
 趣味として学ぶ人がいる一方、就農希望の受講生もいます。現在、農業塾を修了した三百四十人のうち、五十人が生産者として活躍中。その多くがJA産直施設やAコープに出荷しています。ブドウやレタスの生産部会で、奮闘する生産者もいます。
「受講が就農につながっていることは、うれしいこと。農業資材の購入はもちろん、JAの事業にも興味を持っていただくきっかけになっていると感じます」と、梅本さん。
 十五年前に、JAふくおか八女がまいた小さな種は、地域に〝担い手〟と〝JA推し〟を増やし、大きな実りをもたらしています。

文=森 ゆきこ 写真=前田博史

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